読者の皆さまお変りありませんか。ご無沙汰いたしました。8月初めて の発行となります。7月末の夏休み後、オンライン投資用の最新ソフトを 導入しました。それに先立ってマックの新しいOS を導入することが必要と なり、技術に弱い自分がそれにとり掛かったのは良いのですが、結局途中 でハードディスクが故障、すべてのアプリケーション・ソフトを再起動す ることになり、手間取っている次第です。社内の4台のコンピュータを駆 使して、やっと今回の発行にこぎ着けた所です。遅延をお詫びします。さて、オンラインのトレーディング用の最新ソフトは、シュワッブ証券社のVelocity と呼ばれるもので、ストリーミングと称する「刻々と変わる100株以上の銘柄の値動きをモニターできる」素晴らしいフィーチャーがあります。採用以来トレー ディングがますます楽しくなりました。市場での値動きだとか取引量が、以前よりもはるかに臨場感をもって伝わってきます。我が投資業績に影響 するかどうか、今後のお楽しみ。もしシュワッブの口座をお持ちの方はぜひこの新ソフトを試してみてください。
現状分析:
1ヶ月近くもお休みしましたが、投資活動は毎日続けています。最近の市場分析から始めましょう。まず、7月下旬のテクノロジー株を中心としたミニ・コレクションはほぼ終わったという見方をしています。だからと言って、まだ今週火曜日の連銀による金利政策発表だとか、9月末には始まる第3期の企業業績の発表、そして11月初旬の大統領選挙など、市場を大きく揺さぶる 要因が立ちはだかっており、油断は禁物です。連銀の金利政策に関する限りは、経済活動が春以来顕著に鈍化しており、大方の専門家は引き上げナシ、据置を予測しています。したがって、今から9月末〜10月初めまで の間は大きなニュースのない平穏状態が続くのではないでしょうか。ダウもナズダックも回復しており、そして市場の健全さを代弁する証券業界株式が高値を更新しているので、愛読するIBD紙も含めて、「堅実な市場が戻った」という判断をしています。が、本格的なブル市場は秋になっ てからのスタートでしょう。それまでは、注意深く市場を眺めながら、優秀銘柄の発掘にエネルギーを投入してください。
インターネット・ブームは続く:
春のナズダック市場の大暴落は、インターネット企業のバブルの崩壊に端を発したと言っても過言ではないでしょう。生まれたばかりのドット・コム会社がいい加減なビジネス・プランを引き下げて、続々とIPO を打ち上げました。利益をあげる可能性のない企業にベンチャー投資が集中し、その行き過ぎに気がついた投資家が一気に逃げ出したものでした。インタ ーネットの普及を支えるテクノロジー企業の株価が、コンテント企業と一 緒に大暴落したのです。このバブルの崩壊を理由に、テクノロジー株すべ てを過少評価するのは間違いです。対消費者向けのBtoC型のインターネッ ト事業を除いて、インターネットの利用者とその産業界への影響は今後も 拡大し続けるものと信じています。今後延びる最大のテクノロジー分野は、インターネットの普及と高度化 を促すネットワーク関連企業、ラウターなどのデータ通信機器のメーカ ー、そして光ファイバーのメーカー、そして各種ハイテク機器の心臓部を なす半導体メーカーでしょう。一言で表現すれば、インターネットのイン フラ企業ということになります。年間30%、50%、75%、中には2 00%以上もの成長を遂げている超優秀な銘柄がこの産業界に潜んでいます。
現在筆者が注目しているのは以下の銘柄です。
ADCT, CSCO, JDSU, SDLI, EMC, ELNT, ITWO, MERQ, MCRL, NTAP, NT , PWER, RMBS, AMCC, PMCS, SMTC, CREE, PSEM, TQNT, ALTR, XLNX, BRCM, ADI, VTSS といったものです。いずれも、 インターネットの グローバルな普及を支える企業です。中には、移動体通信機器(セルフォ ンなど)を用いてインターネットへのアクセスを可能にするソフトや半導 体のメーカーも含まれています。インターネットの利用は今後デスクトップPCから、移動体へ移動(?)するというのが大方の見方です。この面で は、日本のNTTDoCoMo が世界でも第一線を行っており、アメリカ企業も注目している分野です。
我が投資の基本原則、再確認:
7月末から8月初旬にかけて、我が投資成績は賛嘆たるものでした。春の暴落以来少しづつ回復していた自己資本額は、一気に4月〜5月のボト ム金額に転落。同時にコンピュータがクラッシュした訳で、この夏は余り良いシーズンではありませんでした。だからと言って泣いていても誰も助 けてくれないので、悲しさを抑えて、これまでの投資戦略をさらに反省、失敗の原因を追及してみました。
我が投資 パターンの最大の欠点は、下がるものを追いまくる点にあります。バイオテク会社にテスト機器を販売するTECH (Techne Corp)については特に記 憶が新しいので、その奇跡を探ってみましょう。5月末には70ドル前後 だった株価は、7月初旬に150ドルを上回る成績でした。1ヶ月間で1 00%以上も高騰したのです。以前から注目していたのですが、あまりに も値上がりが激しく手を出せませんでした。所が7月中旬、この「欲しかった」銘柄が安くなり始め、120ドル前後でごっそり買い込みました。すると1週間後にはさらに安くなり、100ドル前後、そこで「これはバ ーゲンだ」とばかり買い足したのです。現在70ドル前後に落ちていま す。値下がりする銘柄を買い足す過ちについては、7月末発行の前回号で も説明したと思いますが、その文章を自分で書いておきながら、その警告 を本人が守れなかったことになります。IBD 紙がお経のように唱える「ロスをカットする手法」、つまり買値 から7〜8%下がったものは、失敗を即時認めて売り切ること。この大原 則を守れなかった自分です。頭脳の左ではわかっていても、感情を支配する頭脳右側が「サー、安い、買ってしまおう」と手が出てしまうのでしょ うか。読者の皆さまに軽べつされることのないよう、我が投資戦略をもう一 度見直して以下のように基本原則を定めて、今後はこれを徹底的に保守するつもりでいます。
オダニ・アキラの投資基本原則
1.投資する銘柄数は、できれば6〜8件に抑える。どんな場合でも、10件以上には増やさない。その理由は、まず第一に銘柄数が増え ると、それぞれの銘柄に関する知識が浅くなり、注意が散漫になる。各社の値動きだとかニュースを十分にモニターできない。さら にもっと重要な理由は、市場が急変した時に、銘柄数が多いと対応 が遅れる。素早くすべてを現金化することができない。第1銘柄を上手く売り払っても、25銘柄も持っていると最後 の第25銘柄に到達したときには、市場はすでに大暴落曲線の底に 落ちていたということになる。数件の銘柄なら、5分、10分の間 にすべてを売り切れる身軽な決定を下せる。もし、新しくどうしても取得したい銘柄が現れたなら、既存保持銘柄中の一番弱いものを 売り払い、合計銘柄数は一定に維持することだ。
2.マージン投資、つまり借金しての投資は、よほど自分の腕前に自信があり、また市場が少なくも85%は健全な上昇基調にある時に限る。マージン取り引きのリスクは、それでなくても大きな株 式投資のリスクを倍増することを常に念頭においておくこと。
3.銘柄の選択も大切だし、買い時のタイミング、売り時のタイミング も多いに重要だ。が、これだけでは成功条件は十分でない。「市場の動向」を考慮しなければならない。どれほど優秀な銘柄でも、市 場全体が下向きの時はたいていが値下がりしてしまう。今年の5月 〜6月には、素晴らしい業績を発表した優 秀企業が、続々と株価の暴落の憂き目にあっている。株式投資の3本柱として記憶しておこう。第1は、銘柄、第2はタイミング、そして第3が、市場動向である。この第3の条件、市場動向が悪化している 時は、投資から手を引いてすべて現金化できる心理的な準備をして おくことだ。現金は目減りしないことを忘れないようにしよう。こ の3本柱の条件が整った時に初めて、利益を生む業績を勝ち取れる。
4.今までにも強調してきたが、ロスを出すものはできるだけ早く売り 切ることだ。これはリスクから自己資本を守る「保険」だと思って、宗教のように実行することだ。「言うは安し、行うは難し」の 戦術であるが、これを実行しないかぎり良い成績は望めないと思っ てください。
ご案内: ステップ・コム社と業務協力体制を樹立
新しく日米両語で、総合金融・資産運用をテーマにしたインターネ ットの情報サイトが立ち上がります。その名はステップ・コム、www. step.com でアクセスできるはずです。このウェッブ・サイトにて、我がメ イルマガジンの過去の記事を掲載していただけることになりました。「オ ダニ・レポート」として登場するはずです。是非、読者の皆さまも訪れて みてください。我がメイルマガジン記事以外にも、各界名士の記事や役立つ情報が掲載されています。
念のため、連絡先を紹介しましょう。
Step.com Communications, Inc.
411 Borel Ave., Suite 445
San mateo, CA 94402
Tel. 650-574-1999, Fax 650-574-1984
我がメイルのアドレスは、[email protected] です。ご質問、ご感想、アドバイスなどお寄せください。できるだけ即座に 回答を試みます。本文筆者の昨年度(12月末)の投資業績は、282 %でした。2000年1 月1日から今日(8月18日終値)までの成績は - 34.5 % です。(自己資本金額を基準にした比率です)(来年度の所得税の推定額も四半期ごとに差 し引いています。一度にキャピタル・ゲインを払うのはしんどいので)。本無料メールマガジンの現在の購読者数は、1,610人です。(前回比、1人 減少)
|