ご無沙汰しました。職場では夏休みを頂いており、また自分の投資業績も余り上手く行かないこともあって、しばらくお休みしました。7月初旬以来初めての記事をお届けします。この週刊誌は「気が進んだ時の」週刊誌へと、その内改名する必要がありそうです。
さて、現在の市場はどんな具合か。連銀のグリーンスパン議長による昨日の議会発言では、ほぼソフトランディングできそうな気配で、景気はやはり「インフレなしの好況」を続けられそうです。つまり基本的には健全な投資市場が控えていると判断できるでしょう。現在米国企業が連日発表している第2・四半期の業績も、ほぼ健全な成長率を見せており、今後値上がりできる土台にあります。
極めて難しい銘柄の選択:
健全でありながら、元本を増やしている人は極めてマレだと思います。自 分よりさらに優れた成績を収めている読者がいたら、是非お知恵拝借したい ものです。どれだけ業績が良くて、優秀な会社でも、現在の株式市場では何 時膨大「売り」が入り、自分が選択した銘柄の株価が暴落するか予測できません。自分が保持してきた優秀銘柄の中にも、まったく予期できず、また 業績も良いにも拘らず、突然大暴落したものが数件あります。過去に推薦し たと思う「TECH 」、「TLCM」 、「KEI 」、「CAMP 」、「VRTS 」など、いずれも小生が購入してから10~25%位落ち込んでいます。ああ、悲しいやら情 けないやら。
さて、男は泣かない。女性読者からの無言の励ましをエネルギーにして、 この不可解な値動きの理由を分析してみました。銘柄選択には誤りはない、 と判断しています。が、購入のタイミングを間違えたようです。要するに、 買う時期を逃したか、早すぎたという気がします。さらに詳しく説明しまし ょう。
頭上に垂れる大きな重荷:
今年の春(3月から5月末)までの、ナズダック大暴落を想起してください。ピークから一気に40%以上も暴落しました。2月から3月初旬のピーク期に 株式を購入した数千万人の投資家達は、皆50%近い赤字を抱えているはずで す。きっと、買い値まで回復したら売り払って、この赤字を帳消しにしようと、虎視眈々と市場の値動きを狙っているに違いないのです。
これが問題です。潜在「売り手」の人口が多すぎるのです。銘柄がどんな に優秀でも、膨大な数の「売り手」が控えている間は、値段は回復できませ ん。少し上がり始めると、その値段で春前に購入した投資家達の「大量売 り」が入るからです。英語ではこれを「オーバヘッド・サプライ」と呼びます。「頭上の売り供 給株」とでも翻訳できるでしょう。
それでも利益を上げる可能性はある:
どんなに苦戦していても勝利を収める手法はある。それを探さねば、投資 など馬鹿馬鹿しくてやっていられない。さて、解答は何処にあるか。「売り手の少ない優秀銘柄を探すことです」。つまり、今春赤字を出した銘柄は、 少しづつ回復していても「頭上の重荷」が常に圧力をかけてきて、上がりき れません。逆に今までの数ヶ月、投資家に損をさせないで上昇し続けている銘柄は、潜在売り手がそれだけ少ない訳で、今後もさらに上昇できる土壌があります。そんな銘柄を値動きチャートから探してみました。逆に、自分が保持しているオーバーヘッド・サプライが大きい銘柄も確認しました。
筆者は今後1ヶ月位の間に機会を見ながら、この重荷保持型の株を売却 し、重荷ナシの身軽型の優秀株を積極的に購入して、秋に予測されるブル市場に備えようと思っています。それが、現在の小生の投資戦略といった所です。勿論、将来これも変更せざるを得ない環境が産まれることもありえますが。「右」と言えば、必ず「左だ」と言う状況が存在することも事実。投資の世界は、売りと買いの逆方向の潮流が常に流れている面白い世界ですね。決して、「白だ、黒だ」を断言できない世界です。これが、人生すべての現実の法則なのかも知れません。株式投資は人間を賢くする、という効能もある。
おだに・あきら推薦の身軽銘柄:
ADCT, JDSU, NT, NTAP, SEMI, SEBL, XLNX といった所です。すべて、ネットワーキング、ソフトウェアの世界のリーダー株です。一方、優秀ではありますが、オーバーヘッドが多いなと思う、つまり自分が保持していて売却予定 の銘柄は、ADVS, INFY, KEI, TECH, TKLC, TLCM, TRMS, CAMP, VRTS といった所です。他に、欲しいなと思う優秀な銘柄ですが、値段が上がりすぎていて手が出ないのは、AMCC, ITWO, TLGD, CHKP といったものです。ご自分でご判断ください。
さて、また夏休みを取っている砂浜に近い海岸の別荘に戻ります。読者の 皆様もお元気で、暑さにやられないようお気をつけ下さい。この秋には本当に予測されるブル景気が戻ってくるよう、お祈りしながら。
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本文筆者の昨年度(12月末)の投資業績は、282 %でした。2000年1月1日 から今日(7月21日終値近く)までの成績は -23.18% です。(自己資本金額を基準にした比率です)(来年度の所得税の推定額も四半期ごとに差し 引いています。一度にキャピタル・ゲインを払うのはしんどいので)。本無 料メールマガジンの現在の購読者数は、1,618人です。(前回比、3人増加)
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