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22.  失敗から学び前進する勇気

先週号を発行した翌日、ナズダックが暴落した。筆者は 15銘柄ほど保持していた投資物件をその下降曲線の極限です べて売却した。ほとんどナズダック575ポイント下落(1時前後) のボトムで売り切ったことになる。本日現在、株式は1社も 保有していない。言い換えれば、すべて現金化したままで来る週を迎えることになる。持ち株ゼロになったあの火曜日、その 日の内に指標はほとんどスタート点に回復、その後3日間は順調 に回復を続け、ボトムから計算すると金曜日の閉めでは、4400 ポイントを越えているから通算800ポイント以上の高騰を見た。 一度売り切り、再びさらに深い暴落が起こることを予測していた ので、筆者は3日間只指をくわえて市場の回復を眺めていた。 現金で保持している資本は、勿論1銭も増えずだ。つまり、 本文の筆者は往復で575+800=1375ポイントの損失を出した 計算だ。

火曜日の3〜4時間の取引時間中に往復で1000ポイント以上の 上下振動、そのボトムで売り、損失を出し、しかも上昇曲線も つかめなかった。またその後続けて3日間で800ポイントの上昇 をミス。市場から引き上げた自分はこの高騰を完全に逃した。 その悔しさと、誤った決断への腹立たしさは想像してもらえる だろう。このようなマガジンを発行する資格を失うほどの大失敗 の連続である。今のところこれらの記事は無料だから、誰も自分 を首にする権利は持っていない。が、もし自分が信託投資のポート フォリオ・マネージャーとして他人様のお金を預かっていたなら、 首になるのに十分な赤字である。このような失敗を今後も続ければ、 きっと本マガジン・ページの読者数が激減するにちがいない。今後 の審判に待とう。

現在のナズダック市場の読み方:

この週末、過ぎ去った週の出来事と自分の行動を、冷静に反省、 分析してみた。売買のタイミングを誤ったのは事実だが、基本的な 市場の「読み」はまだ正しいと見ている。つまり、このままナズダック が5000を越える時点まで、平坦に回復基調を続けるとは思えない。 今回の暴落は、ハイテク業界でのリーダーの交換の時期を意味し、 またバイオテック株だとかインターネット株の価値評価の再検討が 進んでいることを意味する。次のナズダック高騰のテーマになる 株式は、これまでのリーダーとは顔触れが異なる可能性が高い。

ナズダック市場の不安定感は過ぎ去っていない。金利引き上げの 可能性も立ち去っていないし、旧経済株(ダウジョーンズ株)と の間のギャップもまた拡大し、緊張感が高まる。IPOの行き過ぎ だとか、マージン口座の借金額の膨張など不安要因がいくつか ある。そして、テクノロジー株は春から夏にかけてはスランプに 陥る傾向が強い。恒例のように余り良い成績を上げられない シーズンを迎えている。

筆者は月曜日から再び市場に飛び込むつもりでいるが、それは あくまでも回復期間のプラスをエンジョイしたいためで、けっして 安心して長期の上昇曲線を予測している訳ではない。いつでも 飛び降りるつもりで、警戒しながら自己資本の一部だけをコミット するつもりでいる。

長期的な投資スタイルと短期の投機:

自分は投機家だとは思っていなかった。少なくとも自己イメージでは 、優秀な会社に投資して、自分の資本をその会社の成長と世の中 のために役立ててもらう。リスクを負いながら投資した見返り として、3年〜5年後にはキャピタル・ゲインの形で利益を分配 してもらいたい。というのが、従来の筆者の投資姿勢だった。

昨今のボラティリティー(上昇・暴落)の激しさは、長期的な投資 スタイルを捨てさせるもののような気がする。一方、先週の自分の 売買決定は、投機的な、また身軽な出入り行動が大きな損失を生む ことを証明した。売買せずに、何もせずに只保持しておけば、損失 ははるかに小さかったのである。短期的な投機を戒めるような ストーリーでもある。長期の投資なのか、短期の投機なのか。 自分自身の行動を上手く定義できないが、数ヶ月内にはより明確な スタイルを樹立して、回答を得たいものだ。とにかく、投資家とし ては業績を平均以上に保つことが目前の目標である。

シュワッブ證券によると筆者の本年第一・四半期((1〜3月期) の業績は49.9 % 成長であった。一方、ニューヨーク・タイムズ紙 に発表された本四半期の最優秀ミューチュアル・ファンド(一般 混成株式ファンドのカテゴリー)の第一位は42.54 % である。 先週の損失は痛手だが、3ヶ月単位で見ればまだまだ大部分の専門家 達よりは成績はよろしい。過去の失敗をレッスンにして前進すること にする。読者の皆様の中にも、自分と同様のミスをした方もおられる だろう。同胞として同情の気持ちを分かち合い、励ましあいましょう。 何も失敗しなかった方には、この話を警告として読んでいただければ 幸甚です。

マージン口座の危険性:

自分の成績が今まで良かった理由は、マージンという自己資本を担保 に證券会社から借金して、投資金額を2倍にする手法を採用してきた からです。例えば、自己資本が10万ドルだったとすると、證券会社からそれを担保にさらに10万ドル借りて、合計20万ドルを運用 することができます。株価が上昇すると、そのゲインは当然のこと ながら2倍の比率で増加するわけです。勿論、借金額には金利がかかりますが、年率8%前後で、大きな見返りを期待する投資家には余り 負担になる比率ではありません。マージンは増資のスピードを加速 させる「火に注ぐ油」のようなもので、市場が健全に上昇していて、 自分の判断にも自信がある時には大いに活用すべきだと思います。 が、一方リスクも2倍に増えることを自覚してください。持ち株が 10%値下がりすれば、マージンで購入していると、実際の損失は 20%と倍になるのです。つまり、マージン口座を維持していると、 高騰・暴落の比率が倍増するのです。保守的な投資家にはお勧めで きません。筆者は過去にはクレジット・カードを用いて借金して 投資したほどリスクを負うことには慣れていましたが、この2, 3週間の体験で大分その自信に傷がつき、多少保守的になっています。 上記のように、市場の安定が得られるまでは、小額の投資に控える つもりです。

皆様、個人それぞれの個性にあった投資スタイルを微調整しながら 磨き上げていってください。

今後の推薦柄:

今週中にできれば購入したいと願っている小生の銘柄候補は 以下の通りです。

Macrovision (MVSN ):
QLogic (QLGC):
Polymedica (PLMD):
Zomax(ZOMX):
Advanced Digital (ADIC):
Triquint Semiconductor (TQNT):
Checkpoint Softwear (CHKP):
Network Appliance(NTAP):
Siliconix(SILI):

これらの企業に注目している理由は、他の優秀銘柄(例えば、 AMCC, VRTS, SDLI など)に比べて、値段がまだ過小評価の 状態にあること。そして、大手機関投資家がまだ見放していない、 これらを売りに出ているミューチュアル・ファンドが少ない というのが主な理由です。大手機関投資家は、まだキャッシュ を握りながら、再度ボトムがテストされるのを睨んでいる状況です。 例え、どんなに業績が優秀でも市場の大ボス達が、手を切ろうと している銘柄をつかむのは危険です。

「落ちる包丁をつかむな」(Do not catch a falling knife !) という訓示があります。暴落する銘柄に「安い」からという理由で 飛びつくのは危険です。暴落し続けるかもしれません。ケガを しないよう注意深く、投資の勉強をお続けください。自分も再度、 決意を固めて、自信過剰にならないよう、また警戒しながら、 少しづつポートフォリオを再構築するつもりです。

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本文筆者の昨年度(12月末)の投資業績は、282%でした。 2000年1月1日から今日(4月4日現在、すべて現金化した時点) までの成績は8.85 %です。(自己資本金額を基準にした比率です)。

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