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6.  楽観的に生きよう

心と身体は連結している。「プラシーボ効果」、つまり病気になった患者の気休めに与える偽薬の効能は、昔から認知されてきた。本人が「良くなる」と思っていれば、全く効果のない塩水を飲んだだけで症状がなくなることがある。この逆を「ノーシーボ効果(nocebo effect)と呼ぶ。最近の医学界の大会で、患者達の悲観的な態度と病状の関係について興味深い発表があった。つまり「良くならない」と思っている患者は、優れた医療を施しても病状が悪化する傾向が強いという事実だ。

連邦政府の伝染病予防センターのロバート・ハーン博士(Dr. Robert Hahn)の研究によると、心臓へ送られる血液の量が不足する病気(ischemic heart desease)に悩む患者達の内、悲観的でとかく物事を否定的に考える傾向のある者は、一般平均より1.6倍もその症状の頻度が高く、また死亡してしまう比率も1.5倍高いという。毎年26,000人がこの種の心臓病で命を失うそうだが、その内少なくとも5%は病気そのものに対する悲観的な態度が、死亡の原因だと言われている。

喘息の患者に塩水を与えて、「アレルギー物質が入っている」と伝えるとその47.5%は喘息症状を起こす。同じ水を飲ませて「咳がなくなる」と言うと、症状は消えてしまう。

「恐怖感」は人間の頭脳内で特殊な化学物質を分泌させる。また逆に「期待感」「喜び」「楽しみ」は、身体の健康を増進する異なった化学物質の分泌を促すのだろう。

「思っていること」と「物理的現象」の間には相互補完関係がある。こうして科学者の代表である医者達が実験的にその事実を証明してくれると、我々一般人も安心できる。胸を張って精神主義(唯物主義の反対)を主張できる勇気が沸いてくる。

母国、日本市民の生活には「恐怖」や「心配」が多すぎる。アメリカ人は対照的に楽観的な国民だ。「地震、雷、火事、オヤジ」に1600年間もいじめられてきたのだから、日本人が悲観的になるのは仕方のないことかもしれない。が、21世紀というあたらしいミレニアムを迎えるにあたって、歴史が200年しかないアメリカ人に人生観については、見習っても良いのではないだろうか。


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