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43.  ジョ−ジ・ソロスに学ぼう

日本でも有名な投資家ジョ−ジ・ソロスの生涯からは 学べることも多い。1930年ハンガリーで生まれたユダ ヤ人。ナチ・ドイツの圧制の下で身を隠しながら幼年期を 過ごし、戦後イギリスへ移民、ロンドン・スク−ル・オブ・ エコノミックスで学位を取り、1956年にアメリカに移 民してきた。

ソロスは一般常識をさかさまに解釈する投資スタイルで、 次から次へと成功を収め、その資産は膨張を続けた。19 69年にはヘッジ・ファンドを設立、富裕な投資家の資産 を預かってさらにその投資業績を拡大していった。アメリ カを代表する億万長者のひとりとして実業界では尊敬され ている人物である。ユダヤ人であるために、また日本では 情報不足と陰謀好きな国民性も手伝って、「何か裏にから くりのある怪し気な人間」だという見方が多いが、事実は まったくその逆である。出身地である東欧とロシアを中心 に多額の自己資本を投入して、共産主義の崩壊、政治体制 の自由化に貢献してきた。慈善事業家としても有名で、ロ シアでは合計1億ドル以上の資産を投じて40,000 人に及ぶ 科学者を支援してきたし、図書館の充実、科学教育の鼓舞、 コミュニケーション・システムの近代化などに寄与してきた。

我々投資家として興味深いのは、ジョージ・ソロスの投資 業績に関する考え方だ。「間違いを犯すことは恥ずかしい ことだと思う者が多い。が、自分は間違いを認知すること にプライドを感じている。」良いことを言うではないか、 ジョージ君よ。同感ですね、筆者も。「人間は不完全な理 解しかできないことに覚醒すれば、しくじりは決して恥で はない。恥じるべきはその間違いから学ばないことにある」 と(IBD, 10/17/2000)。同感です。

ソロスがこれまで出費した国内外の慈善事業への寄付金は 10億ドルを超える。去年だけで 3.5 億ドルを寄付してい る。「死後の世界までは(お金を)持っていけないからね」 と、この筆者を喜ばせる発言が多い。一度じっくりと彼の バイオグラフィーを読んでみよう。

長期的な展望の重要性:

本メールマガジンを始めてからまだ1年余りだ。小生の投 資経験は合計で10年ぐらいにはなるが、本格的なトレー ディングの技術を学んでからは1、2年しか経っていない。 つまりまだ青二才に過ぎず、業績が芳しくないのはこのベ ア市場では仕方がないことだと自分に言い聞かせている。 ソロスのように、後生では社会に寄付金を大いにばらまけ るほどの業績をあげられるよう、今後も5年、10年、 20年は頑張ろうと決意している。

ナズダックは 2615、年始以来35%の下落、ピークからは 50%に近い落ち込みだ。過去8ヶ月の酷い市場を振り返 ると意気消沈、諦めたくなる人も多いかと思う。ここで大 切なのは長期的な視点を持つことだ。株式投資というのは 1年や2年で大金持ちになるための博打ではないのだ。5 年、10年、20年をかけて、汗水流して稼いだ自分の資 産を目減りしないよう効率良く増やしていく手段なのである。

長期的な展望が如何に大切か、次の数字を一覧されたい。 ウォール・ストリート・ジャーナル紙が本年10月10日 に掲載した数字である。

過去10年間(1990 年10月11日以来)のベスト銘柄

会社名 株価の上昇率
EMC 83,841%
Cisco Systems 75,324%
Emulex 39,057%
Dell Computer 29,718%
Semtech 26,211%
Oracle 22,907%
Siliconix 13,742%
Comverse Technology 13,477%


過去10年間のベストIPO銘柄

会社名 株価の上昇率
America Online 61,506%
Veritas Software 24,662%
Network Appliance 14,159%
CMGI 13,850%
SDL 10,810%
Siebel Systems  9,030%
Vitesse Semiconductor  8,893%
Applied Micro Circuits  8,822%
Yahoo!  7,653%
Sanmina  7,505%

いずれも、筆者が本シリーズにて推薦したり、また自分 で保有していた(いる)銘柄である。その事実に誇りを 感じると同様に、これらの超優秀銘柄がピーク以来50 %前後も没落しているとは言っても、10年間という長 期的なものさしで評価すれば、雰囲気は大きく異なって くる。これら優秀銘柄は7,000 % 、あるいは 20,000 % 、 さらには 80,000 %も高騰している事実は常に念頭におい ておく必要がある。短期的な下落のために意欲を失って しまうことが、如何に馬鹿げたことかを再確認させてく れるではないか。

一方、これだけの高騰を考慮すると、テクノロジー株は さらに大幅に下落しても少しも不思議でない、という我 々を骨から震撼させる議論も成り立つ。

現在の環境分析:

アメリカの大統領はこの月曜日(午後4時半)現在まだ 決まっていない。その不安定感が市場の心理を圧迫して いる。一般にジョ−ジ・W・ブッシュ共和党候補が勝利 すると予測されている。筆者の感触ではこれが具体化す ると、彼は無責任な減税政策などを打ち出して双児の赤 字(財政赤字と貿易収支)を再現し、アメリカ経済は今 後4年間悪化を続けることになる。アメリカの景気が悪 くなると、またまた「日本いじめ」が始まり貿易摩擦が 白熱化する。極めて面白く無い世の中になる。ゴア大統 領であれば、クリントン政権の政策を引き継いで健全な 財政政策が続き、連邦政府の累積負債を軽減していくか ら、市場は順調に回復、成長曲線を辿ると思われる。い ずれにしろ2週間前に比べて経済全体のスピ−ドが極端 に鈍化しており、ソフトランディングできるか、あるい は不景気(リセッション)に陥るか、という投資には極 めて不向きな環境が続くと予想される。

心理的にも今春以来資産が半分以下に減ってしまった投 資家も多く、高値で購入した銘柄がある程度回復して、 とんとんになったところで売り払おうと待ち構えている 人も多い。つまり「売りの圧力」は累積するばかりだか ら決して急速な回復は起こらないだろう。今月中旬に予 定されている連銀の会合で対インフレ懸念が解除され、 来年1月末の時点で連銀が金利緩和へと方向転換をして くれれば、市場はかなり安定してくる。それでも不景気 が予測されるような環境では、株式投資は苦戦するに違 い無い。

現金保持体制は解除しない:

毎日展開されるエクサイティングな株式市場に参加しな いのは寂しいが、少なくともマ−ジン(信用取引)は止 めて、できるだけ現金保持を維持していきたい。これが 小生の投資戦略である。IBD 紙など他にも投資の参考書 をいろいろ読了してみたが、プットだとかコール・オプ ション商品の利用、ショートする手段など、考えては見 た。が、どうもリスクだけ大きく、小生の投資業績を改 善する手段ではなさそうだ、という結論に達した。上が り市場での売買のタイミングや銘柄選択さえまだマスタ ーしていない現状では、ショーティングしたりオプショ ン取引は自分のエネルギー効率から見て、不適切だとい う判断だ。毎日、毎分、欠かさずコンピュ−タのスクリ ーンをにらみながらトレ−ディングするなら別だが、他 にも仕事があり、また趣味も豊富な小生は、上記かかげ たような10年間で 80,000 % 高騰するような銘柄を じっくりと狙うことにする。

株式指標の推移曲線を見る限り、8ヶ月間のベア市場が 続いています。安心して投資できる環境ではありません。 今週末のリスク要因は、1(最低)から10(最高)だ とすると、9〜10レベルの最悪、ハイリスク環境にあ ります。

小生は現在まだ以下の株式を保有しています。いずれも 最近買い込んだものばかりです。好機を狙って売り払う つもりです。現在保有株:AMAT, AMCC, CHP, DELL, INTC, MERQ, MWD, NTAP, SEBL, SDS, XLNX 。

さて、2週間後の12月中旬、それまでにはアメリカの 大統領は決まっているかどうか。市場はどう動いている か、楽しみですね。その時まで、読者の皆様お元気で。

お知らせ:

我がメイルのアドレスは、akira@odani.com です。ご質 問、ご感想、アドバイスなどお寄せください。できるだ け即座に回答を試みます。また我がウェッブサイト ( www.odani.com )では、過去数ヶ月分の本誌バック ナンバーをご覧になれます。我がウェッブサイトはApex New York 社の梅原一嘉さんのご協力により、大幅に改 造されました(ほぼ完成)。本メールマガジンに加えて 新しく「人生のマネ−ジメント講座」と題した、小生が アメリカで学んだ「生き方に関する軽い哲学エッセイ」 を連載しています。是非、一度訪れてみてください。

本文筆者の昨年度(12月末)の年間投資業績は、282 %で した。2000年1月1日から今日(12月1日終値)までの 成績は - 68.20 % です。(自己資本金額を基準にした比 率です)(来年度の所得税の推定額も四半期ごとに差し 引いています。一度にキャピタル・ゲインを払うのは しんどいので)。本無料メールマガジンの現在の購読者 数は、1,594人です。


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